関の山

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 え~と、まずは、言葉の説明から。
 若い人だと、使ったことも聞いたこともないと言うかもしれない。

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■関の山(せきのやま)
 一生懸命やってできる可能な限度。精いっぱい。「一日に一冊読むのが関の山だ」。(デジタル大辞泉)
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 意味は知っているという人が多いだろう。
 しかし、「関の山」とはなんなのか?

(1) 「宝の山」のように、「関」が「山」のようにあるのか?
(2) 「鹿児島の山」のように、「関」というところにある「山」なのか?
(3) 「Mt.Fuji」としての「富士山」のように、固有名詞の「Mt.Sekino」なのか?
(4) 「今日が山だ」というときの「山」なのか?
(5) その他

 (4) がなんとなく近いような気がするのだが、その場合は「関の」の意味が全くわからない。
――とまあ、以前から「どういうことなのだろうなぁ」と疑問に思っていたのだが、先日、その謎が解けました。

   『東海道五十三次之内 関』 歌川広重筆
    ※画像をクリックすると、大きな画像を見ることができます。


 10月13日のブログで、東海道の44番目から49番目の宿場を紹介しました。
 そのうち、47番目の宿場が「関」なのです。
 現在は、三重県の亀山市にある「関町」です。
 「関の山」の「関」は、ここのことです。

 次に、「山」とは、祭りのときの「山車(だし)」のことです。
 関西では「山車」のことを「山(やま)」と言います。
 で、「関」の夏祭りに出る「山」が、それはそれは立派だったので、「これ以上のものはない」という意味で「関の山」といわれるようになったとか。


   関宿祇園 夏祭り のポスター
    ※画像をクリックすると、大きな画像を見ることができます。


 しかし、そうだとすれば、「関の山」には「最高」という意味があってしかるべきなのだが、いつの間にか意味が悪い方へ転じて、「精一杯」「せいぜい」などという意味になってしまった。
「いくら立派な山車を作ろうとしても、道の幅以上の大きなものは作れない」と言う意味で、「関の山」という説もあるそうな。

 実は、「関の山」については、このことを調べようとしてわかったのではなく、別のことを調べていて謎が解けたのです。そういうのって、結構カイカンです。
 あ、「関ノ山」という力士もいたそうです。

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