食指が動く

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 久しぶりの「故事成語シリーズ」。

「食指が動く」というときの「食指」とな、なに指か?
――という問題は、クイズ好きには基本問題。
 答えは、人差し指。中国では、人差し指のことを「食指」と読んでいるそうです。

 まず、「食指が動く」というのは、こんな意味があります。

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【 食指が動く 】 
・食欲が起る。転じて、物事を求める心が起る。(広辞苑)
・食欲が起こる。興味・関心をもつ。してみたい気持ちが起こる。また、手に入れたくなる。(大辞林)
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 ところが、私は「食指が動く」という言葉や意味を知っていても、「食指が動く」といわれるようになった故事を知らない。
 だから、調べてみた。けっこう面白かった。
 中国の春秋戦国時代の話です。
 楚の国から大きなスッポン、鄭(てい)の国の君主、霊公に贈られた。
 子公(鄭の宰相)と子家が霊公に会いに行く途中のこと、子公の人差し指が動いた。
 子公は「こうなるときには、いつもご馳走が味わえるのですよ」と言った。



 霊公の家に着くと、料理人がスッポンを料理中!
 二人は思わず顔を見合わせて笑った。

「ん? どういうこと?」
 霊公がそのわけを尋ねると、子家が「子公の食指の動くと……」と説明をした。

 それを聞いたいた霊公は、子公にわざと料理を食べさせなかった。
 子公は怒って、料理の入った鼎(かなえ)に指を突っ込んで、それをぺろりと舐めたのであった。
――というお話。

 ん~、いじわるはしてはいけませんね。
 食べ物の恨みは怖いですからね。

 実際、この話には続きがあって、霊公は子公の無礼に怒って、子公を殺してやろうと考えたそうです。
 そんなことを考えているのならと、子公は先手を打ってやろうと、子家に相談します。 子家からは「主君なのだし、それは忍びない」といさめられました。
 しかし、最終的には、子公は子家を誘って挙兵、霊公を討ったのでした。

 え~と、「食指が動く」という表現を、下のように間違って使っている人が多いそうです。気をつけましょう。

  ・食指がそそられる
  ・食指が伸びる

 ちなみに、私たちが「中指」「小指」と読んでいる指は、中国でも「中指」「小指」です。

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